ギャルゲーの歴史

ギャルゲーの創世期は「女の子が活躍するゲーム

87年12月 FC「中山美穂のトキメキハイスクール」(任天堂)
史上初のアイドルゲームで、意外にもギャルゲーの元祖です。
アイドルを題材にしたゲームは、88年の「リサの妖精伝説(FC)」「No.Ri.Ko(PCE)」などが続きますが、こういった”実在するアイドルを題材にしたゲーム”は、アイドルゲーといわれていました。

 

□92年3月 PCE「夢幻戦士ヴァリス」(日本テレネット)
世間的に、最初にギャルゲーと呼称されたゲームは、『夢幻戦士ヴァリス』(日本テレネット)ではないかとされています。
89年7月「ヴァリス2」、90年9月「ヴァリス3」、91年8月「ヴァリス4」(全てPCエンジンでリリース)。
PCエンジン版はCD-ROMの特性を活かし、パッケージどうりのキャラクターがビジュアルシーンで登場し、アニメーションや声優の起用は後のゲームにおける手法を先取りしたものと言え、その点から本作が後に「ギャルゲーの始祖」と呼ばれるようになった要因でないかといわれています。

 

□92年10月 PCE「銀河お嬢様伝説ユナ」(ハドソン)
恋愛要素は無いアドベンチャーゲームですけど、たくさんの美少女がメインで出てきて・メディアミックス展開や関連フィギュアなども発売されるなど、ギャルゲーの歴史を語る上では外せないタイトルです。
意外にも、製作はレッドカンパニー。後の「サクラ大戦」などの起源に連なる作品のひとつ。
デジタルコミックアドベンチャーは、もともと「PCエンジン(CD-ROM)」・「メガCD」では数多く作られていますが、それらは主に恋愛要素を持たないものばかりでしたが、システムの一部やアニメ(アニメ絵)・声優・美少女キャラクターなどなど、後のギャルゲー市場に多大な影響を与えています。?「PCエロゲの移植」という意味でも、92年8月「ドラゴンナイト2」や、93年3月「CAL2」など、PCエンジン(CD-ROM)は、その大容量を活かしたCD-ROMというメディア媒体も相まり、後のセガサターン・ドリキャス・プレイステーションのモデルケースになっています。
PCでも、FDからCD-ROMにメディアが変わっています。

 

□93年7月 PCE「卒業」(NECアベニュー)
娘を育てる「プリンセスメーカー」と共に、美少女育成シュミレーションというジャンルの先駆けになった作品です。1〜3までがコンシューマに移植されています。

 

 

ギャルゲーの歴史が動く

□94年5月 PCE「ときめきメモリアル」(コナミ)
コンシューマ機において、ギャルゲーというジャンル、ギャルゲー市場の人気を決定付けた、まさに金字塔のような作品。
ありとあらゆる関連グッズや、アニメなどのメディアミックス、さらに実写映画化など・・、ギャルゲーが出来うる商品展開を全て行い、後のテンプレートになったタイトルでしょう。また派生作品も、正式な続編を含めると「対戦ぱずるだま(パズル)」・「ときめきの放課後(クイズ)」・「ドラマシリーズ(ADV)」・デスクトップアクセサリーやファンディスク、など、様々。
PS版、SS版、これらのベスト版・SFC版・PCエンジン版・ゲームボーイ版・PSP版・Windows版の全ての売り上げを合わせると、ゆうに100万本オーバーという社会現象ともいわれる売り上げをたたきだしています。
この人気を受け、数年はギャルゲーが乱立しました。

 

□95年〜97年 エロゲー(エルフ作品移植関連)
セガサターン時代、特に96年・97年は、PC98で人気を博した同級生シリーズをはじめとするエルフ移植作品が沢山発売されていて、その全てが高い売り上げ、そして高い評価を得ました。
セガサターンの終焉、年齢制限撤廃に伴い、エルフは自ずからコンシューマ機移植を撤退するのですが、ここで一時代を築いたと言えます。
PCゲームのギャルゲーは、今でもプレイステーションに移植されています。

 

□96年4月 SS「サクラ大戦」(セガ)
特有なキャラクター・コミュニケーションシステムなど既存作品の要素に、練りこまれた独自の設定と、エンターテインメント性の高い戦闘やアドベンチャーパート、当時としては非常に高度な(かつエンターテインメント性の高い)各種演出を取り混ぜ、ユーザーを引き込んだ作品です。
「ときメモ」と並びギャルゲーの双璧と言われました。

 

□96年12月 PS「トゥルー・ラブストーリー」(アスキー)
「ときメモ」の派生作品ともいえるギャルゲーは数多く存在しましたが、その中でも高い評価を得た作品の代表格といえば、このTLSシリーズでしょう。
99年1月には「トゥルーラブストーリー2(PS)、2001年4月には「トゥルーラブストーリー3、2003年7月には「True Love Story Summer Days, and yet...」が発売。その流れは、同じ製作グループの06年5月「キミキス(PS2)」「アマガミ(PS2)」などに受け継がれています。
このシリーズの特徴としては、下校時の『会話』システムが挙げられますが、これは同じく96年発売の「NOeL(PS)」と同じく、「ときめきメモリアル」で目指したゲーム内の『キャラクターとの対話』を追求する、という形での「恋愛シミュレーション(シミュレーター)」ではないかと考えられます。

 

ギャルゲーの安定期・・・ビジュアルノベルの登場

□96年9月 PC「雫」(Leaf)にて誕生
今では主流になっているビジュアルノベルというジャンルを取り入れた作品です。
その後、98年12月「久遠の絆(PS)」、99年3月「トゥハート(PS)」、99年4月「輝く季節へ(PS)」、など、ビジュアルノベルが続いていきます。
PS/SS時代は、ときメモ派生関連をはじめ、様々なコンシューマのオリジナル作品が発売されましたが、ギャルゲーバブルが過ぎた後のPS2・DC時代のメインは、エロゲー移植、特にビジュアルノベルが多くなります。
主にNECインターチャネル(「Kanon」「AIR」などのKey作品、「Piaキャロ」などのF&C作品、「みずいろ」などのねこねこソフト作品、他)・アルケミスト(「ひぐらしがなく頃に」関連、・プリンセスソフト(「つよきす」など、オリジナル作品も多数)・角川書店(「Fate」、「ダ・カーポ」シリーズなど)、アクアプラス(リーフ作品)それにKIDを加えた6メーカーがメインとなっています。SIMPLE2000シリーズでも、幾つか移植・オリジナル作品が存在。
商品展開面でも大きな売り上げと人気を獲得したのが、「ひぐらしのなく頃に」、「Fate/Stay Night」で、シリーズ化もしています。
この二作品(前者は推理・ミステリー・ホラー、後者は伝奇・バトル)のように、「恋愛以外の要素も強く押し出ている」作品は、恋愛以外の楽しみ方を提供し、より多くのユーザーにアプローチできたのではないかと考えられます。

 

□04年12月 PS2「トゥハート2」(アクアプラス)
「元はエロゲーのトゥハート(ToHeart)シリーズの新作が、PS2というコンシューマ機」という非常に珍しいタイプの作品でした。
このヒットを受けて、アクアプラスの自社(リーフ)移植は、「うたわれるもの」「WHITE ALBUM」などアニメ化と絡めて移植を行ったりと、非常に戦略的であると考えられます。

177問題?

1986年は、エロゲーと社会との関わり合いが大きな転機を迎えた年です。
同年に発売されたマカダミアソフトの『177』が、この年の国会(衆議院予算委員会)で取り沙汰されたのです。
通称“177問題”です。
ゲームの内容は題名の「177」という数字が示していて、言わずもがな刑法177条、強姦罪のことです。
形式は横スクロールのアクションで、画面右から左へ走っていく女性キャラクターをプレイヤーキャラがうしろから追いかけて、捕まえるたびに衣服を剥き破っていって、やがて捕獲・凌辱するというものでした。
しかもエンディングは、女性キャラが感じてしまったので和姦という体裁をとっている(つまり厳密には、強姦罪を描いたというよりも強姦罪をすり抜けてしまおうという内容)。

これによって、単に過激だからというに留まらず倫理的なポイントから社会的反響を招いたのでした。

結果的に『177』は自粛のかたちで発売停止に追い込まれ、エロゲー全体の存在意義を問われました。
この出来事がアダルトソフトにもたらしたものには2つあるといえるでしょう。
1つは、作品が社会のなかで市販され流通する以上、商用エロゲー業界は世間からのまなざしを受け止めて、何かしらの回答をもたざるをえないという責任問題。
もう1つは、注目を浴びたが故に、アダルトソフト市場というものが存在しており、未だ発展途上だという点が認知され、結果的にむしろメーカーの新規参入も促されたという流れででした。
エロゲーの歴史は過激化→批判を受けて自粛→形を変えて再過激化……という工程で進化してきたのです。

 

 

激動の1986年

意外にも、アダルトソフトの主戦場であるパソコンから離れたところにあることで強みを持ったファミコンにも、アダルトの波は届いていましたた。
任天堂からのライセンス非公認で、しばしばファミコンやディスクシステム用のエロゲーが作られていたのです。
有名なのが、よりにもよって『スーパーマリオブラザーズ』をパロディーしたエロゲー『スーパーマルオ』(昭和通商)です。電話注文やごく限られたショップ販売でこっそり売り出されるも、あっというまに任天堂にバレて発売中止に。(笑)
ファミコンの非公認エロゲーとは別に、家庭用ハードのなかにエロ要素が浸潤していく窓口として、1987年に目立つのはやはりPCエンジンでしょう。
アーケード脱衣麻雀ゲームが移植されるケースが相次いだほか、上半身の露出までのお色気要素が入ったゲームが堂々と発売され、1990年代まで「エロいゲームはやりたいけどパソコンエロゲーは敷居が高いなあ」という青少年たちに親しまれました。
波乱だった前年から明けて1987年に、フェアリーテールがデビューします。
まず「天使たちの午後」シリーズのジャストから有限会社キララが独立。
そのキララの下でアダルトソフトを制作するブランドとして、フェアリーテールが創設されたという流れでした。
フェアリーテールのデビュー作はアドベンチャーゲーム形式の『ふぇありぃてぃる』。
工事人を装った男が留守番中のセーラー服少女をあの手この手で口説いてパンツをもらおうとするゲームで、結末が3種類。
「クリア」「ゲームオーバー」という両極端ではなく、今でいうマルチエンディングが業界で広く採用されたパイオニア的ゲームです。
フェアリーテールは同じ87年に『リップスティック』も出している。1巻がロリ、2巻は女子高生……と属性まとめのCG集でした。

 

アーケードでは脱衣麻雀ゲームが

パソコンエロゲーの外側でも、1987年には大きなうねりが起きていました。
アーケードで脱衣麻雀ゲーム『スーパーリアル麻雀PII』(セタ)が稼動開始したのです!
あまりヒットしなかった1作目はリアル志向の純然たる麻雀ゲームだったので、IIからはアニメーターの田中良を起用。
デザイン、絵コンテ、作画監督を本職に任せたことで大成功しました。
プロのアニメ声優の声をつけたアニメ仕立てヒロイン達が恥じらいながら肌をさらす高品質な脱衣ムービーが支持を集めて脱衣麻雀ゲーム分野における金字塔として10年続く人気シリーズ化につながったのです♪

ギャルゲーとアダルトゲーム?

1992年の『同級生』(エルフ)以降、アダルトゲームにおいても擬似恋愛を扱う作品が主流となったが、これらの作品は従来のアダルトゲームに比べ性描写が少なく、ゲームの中身の大部分は女性キャラクターとの恋愛関係に至るまでの過程を描いたものでした。
これらのアダルトゲーム作品においては、たとえ性描写がなくてもゲームバランスを大きく損なわないことを意味していて、このためアダルトゲーム原作のコンシューマーゲームが移植されるギャルゲーが増加することとなりました。

 

主にアダルトゲームを製作しているメーカー(企業・同人を問わない)及びブランド。

エロゲ、エロゲー、萌えゲー、美少女ゲーム、アダルトPCゲームなど様々な呼称があります。これらがどういうゲームかと言うと、主に性的要素があるためR-18(18禁)の指定がされているゲームの事を言います。一言でいうと「エッチな要素のあるゲーム」のことです!18歳未満は禁止されているが故のグロテスクな描写。反社会的な行為。特殊性癖。思想。深い恋愛描写。アニメやライトノベルや一般のゲームでは到底表現できな...

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