女戦士のビキニアーマー

ビキニアーマーとはファンタジーの世界で、女戦士が身に着ける防具のことで、分かりやすく言うなら、水着のビキニを金属で作ったようなものです。
正確には下はパンツ型の防具ではないのだが、その見た目からそのように呼ばれています。
多くのファミコンユーザーは、1988年2月に発売された『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の「女戦士」を通して、ビキニアーマーの存在を知ったのではないでしょうか。

ちなみにビキニアーマーというのは通称であり、そんな名前の防具はドラクエの世界には存在していません・・・。

鍛え上げられた四肢を持ちながら、それを覆う鎧は最小限。
未だにビキニアーマーと言えばこのキャラクターを挙げる人も少なくないとか。
盾や兜はしっかり身につけている分、下腹部・二の腕・太ももの露出が目立ち、ついつい目が奪われます。
ご存知の通りビキニアーマーは、防具とは言うものの、身に付けたところで、身体の大半の部分は露出しています。
言い方を変えるなら、ほぼである。
ちなみにビキニアーマーは、その見た目から防御力は低いだろうという印象を受けやすく、時に頼りなく映る場合もありました。
そもそも防具とは、敵の攻撃から身を守るためのもの。
それにも関わらずビキニアーマーは、肌の露出が極めて多いデザインになっていました。
ですが『ドラクエIII』の女戦士は、引き締まった筋肉美を備えており、戦士としての信頼感も満点。
強さと美しさを兼ね備えたその姿は、まさに理想的なビキニアーマーでした。

 

 

ドラクエVでは、戦士のキャラクターデザインを見ると、男戦士と女戦士はお揃いの赤いカラーリングの防具を身に着けています。
男戦士の方はごく一般的な防具で、全身がしっかりと守られていて、これぞ戦士のあるべき姿と言えるでしょう。
肌が露出している部分といえば、顔と首、上腕ぐらいのものです。
一方の女戦士はというと、男戦士の装備している胸当て(鎧)が、なんとブラジャーサイズしかなく、顔と首のみならず、上乳まで丸出しなのです!
早い話が、下着姿で敵と戦っているようなものなのでした。

ちなみにこの胸当て、素肌に付けるのが原則らしく、どうやら女戦士はブラジャーは着けていないよう。

布地のブラジャーのように、肌にピッタリとフィットする類のものではないはずなので、女戦士は胸当ての中のおっぱいが、かなり不安定な状態で敵と戦っていることになります。
しかも、へそ出しルックどころか、鍛え上げられた腹部がベロ〜ンと全部丸出しの状態!
しかも、なぜかタセットのサイズが小さくなって、男戦士の半分もない幅に。
当然のごとく、タセットをフロント部分にしか着けていないようなのです。
サイドとバックのタセットは、いったいどうしたのでしょう。
これでは太腿もお尻も全部丸出しなのですが・・・。
下腹部の次は脚である。
男戦士は脚に黒いタイツを着用しているのですが、女戦士は生脚のため当然タセットの下には下着を着用しているはずです。
ところが、タセットの固定部分の形状を見ると、着用しているのは普通のパンツではないらしく、どうやらTバックのようなものらしい・・・。
というのも女戦士は、サイドにタセットを着けていないので、普通のパンツをはいていたら、サイドは下着が丸見えになっているはずなのです。
それがないということは、下着はTバックかヒモパンのような形状のものを着用しているということに。
また、バックにもタセットを着けていないとすると、女戦士は後ろから見ると、パンツが丸見えということになる。
このようにビキニアーマーというのは、ファッション性を優先させた防具であって、現実の世界で例えるなら、真冬に若い女の子が、コートの下にミニスカートをはいて、生脚で「寒〜い」と言っている状況と全く同じと言えるのです。
命の取り合いの中での破廉恥な格好!!
もはや、露出狂の思考です。
歴戦の女戦士といえども、やっぱり根は女の子であり、どうやら「かわいい」ものや、「かっこいい」ものを優先したい気持ちは捨てられないようです。

ビキニアーマーといえば?!

1987年8月に登場したファミコンソフト『夢幻戦士ヴァリス』も有名でしょう。
女子高生の「麻生優子」がヴァリスの戦士となり、ミニスカなビキニアーマーに身を包んで戦いに挑むアクションゲームです!
このシリーズは、PCエンジン版がクオリティーが高く、当時のビキニアーマーはデフォルメが効いた描写が主流でしたけど、優子のキャラクタービジュアルは等身が比較的高め。
黎明期ながらこだわりを感じさせるドット絵として、一部の熱狂的なゲームファンから注目を集めました。

 

ビキニアーマーの元祖

ファミコン版『夢幻戦士ヴァリス』に2ヶ月ほど先駆ける形でリリースされたのが、1987年6月発売の『アテナ』。タイトルと同じ名前の女性キャラクターが主人公を務めるアクションゲームで、王女・アテナが「帝王ダンテ」の打倒を目指して旅立ちます…が、そのゲーム内の目的よりも、パッケージのイラストやドット絵で描かれたビキニ姿が当時衝撃的でした。
ドラクエIII』の女戦士は最初から最後まで、また『夢幻戦士ヴァリス』の優子は姿が切り替わった以降はずっとビキニ姿でしたけど、この『アテナ』は少々方向性が異なっており、ゲームを開始するとドレスからビキニ戦士に一変。
そして、プレイを進めるとあろうことか鎧に身を包むようになり、ビキニ姿が隠れてしまうのです!
ビキニ姿を堪能したい・・・でも鎧を身につけるとゲーム攻略が楽になる。
なんということでしょう!
でも、ゲーム内はドット絵なので色気もなにもないのですけど・・・。
今の時代なら、どれだけの迫力か。。。・
規制が厳しいから、無理なんでしょうか??
当時は、このパッケージでシコッたものです。

 

 

1986年にも、華麗なビキニアーマー戦士を描いた元祖ともいえるファミコンソフト『マドゥーラの翼』がありました。
戦士「ルシア」の戦いを綴った本作は、RPG的な要素も盛り込まれたアクションゲームで、上下にも広がるフィールドは探索要素もありました。
敵の猛攻が続く厳しい冒険の最中、目の前にはいつでもビキニアーマーのルシアが。
アーマーが剥がれたりする要素はないので、ゲームプレイ中は常にビキニ姿を拝める安心感がそこにあります。
まぁ、ドット絵ですけど・・・。
また、パッケージにはビキニアーマーなルシアのイラストが右側に大きく描かれており、この絵が目当てで手に取った方も少なくないでしょう。
購入時は、ドキドキだったことでしょう。
今はごく普通にありますが、美少女がパッケージを飾るファミコンソフトは1986年だとかなり珍しく、惹かれる方が多いのも無理のない話だったのです。

そもそも、女性キャラが主人公のゲーム自体が貴重な時代でもありました。

ゲーム史上のビキニアーマー代表格としては『夢幻戦士ヴァリス』がよく知られていますが、歴史的には『マドゥーラの翼』もかなりのもので、名作でもあります。